さちこ
さちこ

インターネットで短歌の世界を味わえる「ちるなり」の作り方

ーー まず、ちるなりと、さちこさんについて教えてください。

さちこという名前で、インターネットで短歌を作ったりしています。Web系の仕事に就きたいと考えていますが、エンジニアやプログラマとしての業務経験はありません。プロではないので、開発は色々なチュートリアルを参考にしながら、試行錯誤しつつ雰囲気で作っています。「ちるなり」は、短歌の投稿サイトです。短歌は、57577で読むもので、季語がいらない方です。Nuxt.js + Expressで動いているプロダクトで、HerokuのFree Dynoで稼働させています。お金を節約することも考え、ドメイン設定もせず、いまのところ無課金で運営しています。

ーー ちるなりの着想はどこから生まれましたか。

もともとインターネットで短歌を公開したりするなかで、短歌をつくっている人はいっぱいいるけど、なかなか自分の好みの作品に出会えないという不満がありました。そこで、好みの短歌を選んでいくと自分の好きそうな作品をレコメンドしてくれる投稿サイトが欲しいと思ったのが最初に作り始めたきっかけです。

ーー 最初に開発したプロダクトは何でしたか。

プロダクトというほど大掛かりなものではないですが、「宮沢みちひの短歌自動生成」というのを作ったのが最初です。適当なフレーズを入力すると、kuromoji.jsで音数を数えてからデータベースにあるフレーズと連結して31音くらいの短歌もどきを返してくれます。こちらは最近完全に放置していますが、気が向いたらまた手直ししたいと考えています。

ーー 現在、EVENTechを広めるために工夫はされていますか。

Twitterで実際にサイトを使ってみている動画を投稿したりしましたは、まだそれほど効果が出ていません。

ーー ビジネスモデルのアイデアはありますか。

いまのところ、全く考えていません。短歌をやっている人は短歌誌(定期発行の短歌の文芸同人誌みたいなもの)を取るのにお金を払っていたりするので、投稿サイトにまでお金をかけないのではないかと思っています。広告を出すにしても、短歌だと一つ一つのコンテンツ量が少ないので審査に不安があります。しばらくは収益化せずにやっていくつもりです。

ーー 将来的にはどのようなゴール設定をしていますか。

インターネットで短歌をやっている人たちの多くがとりあえず「ちるなり」に作品をあげておこうと思えるような投稿サイトになれば、たくさんの作品のなかからレコメンドできることの価値が発揮されると考えています。

ーー これまでで一番大きな課題は何でしたか、またそれを乗り越えるためにどんな工夫をしましたか。

雰囲気で作っているということもあり課題だらけですが、大きな課題というより思い入れがあるのは、縦書きのカルーセルの実装です。nehan.jsでレンダリングした縦書きのブロックをSwiperでカルーセルにしているのですが、非同期で取得した短歌を都度描画できるようにするのに非常に苦戦しました。いまのところは、短歌の更新を監視して、データが更新されたタイミングでSwiperのインスタンスを差し替えることで描画を実現しています。

ーー 個人開発を進める上で何かオススメのツールはありますか。

ちゃんと試しわけではないのですが、「Ghost Text」は認知度の割にヤバイと思います。ブラウザ上のテキストエリアと手元のテキストエディタの内容を同期させるツールです。導入がやや面倒ですが、気に入らないWYSIWYGエディタを駆逐できる可能性を感じます。

ーー 無茶振りですが、開発会議ユーザーへメッセージをください。

あんまり自分でコードを書くことを考えないほうがいいというのは伝えたいです。「ちるなり」だと縦書きをレンダリングするnehan.jsも、カルーセルにするSwiperも、レコメンドエンジンも、すべてOSSのライブラリを使っています。個人で開発するというのは往々にしてハードで、膨大な時間を要する作業です。プロダクトを作るための資源はいくらでも転がっているので、個人で全部やるということにこだわらず、積極的に他人の時間を使っていくほうが良いように思います。

取材の感想

短歌をTwitterの世界に持ってくるという新しい発想だなと思いました。日本の古き良きカルチャーだと思うので、こうしてWebサービスで楽しみ方を増やしていくことは社会的にもとても大切なことかと思います!

ちるなり
ちるなり

ちるなりはNuxt.js + Expressで構築されたプロダクトで、Herokuで稼働しています。現在はFree Dynoだけ使って細々と運営しています。